ほとんどのお家では、「日陰になる場所」があると思います。
むしろ、午前中だけ日が当たる「半日陰」、午後だけ日が当たる「半日陰」は、一日中日が当たる「日向」よりも多い場合もありますよね。
今回は私の庭で実際に育てている、半日陰でしっかり育っている樹木を紹介します。
①マルバノキ
落葉樹。マンサク科で、「ベニマンサク」とも呼ばれます。
自生地では周囲を大きな樹に囲まれていることも多く、直射日光が苦手。日陰の庭にはピッタリです。

マルバノキの大きさ
樹高2~4mほど。
高さはあまりないのですが、横に広がりやすいので、少し広めに場所を取るのがおすすめです。
私の庭では、半径1mほどはマルバノキが広がっても大丈夫な場所に植えています。
成長速度はゆっくりめで、あまり剪定の必要がなく育てやすい樹木です。
マルバノキの葉

ハート型の葉をしていてとても人気のマルバノキ。
秋には紅葉が見られるのですが、緑と赤、ときおり黄色が混じったような紅葉の仕方をすることがあります。これがとてもきれい! 他の樹ではあまり見られない姿が魅力です。
マルバノキの花・匂い
マルバノキは、落葉樹なので秋に葉を落とします。
落葉し始める時期に、赤い星型の小さな花をつけます。ちょっと地味な花なので、遠目には分かりにくいかもしれません。
この花が不快なにおいを発すると言われているのですが、私が育てている間には一度も「におい」を感じたことはありません。
比較的風通しの良い場所で育てているので、臭いがあっても気づいていない可能性もありますが、個人的にはあまり気にしなくてもいいのかな? と思います。
②オトコヨウゾメ

筋が多めに入った小さめの葉を付ける落葉樹。
あまり名前を聞いたことのない樹木かもしれません。
ガマズミの仲間で、日本固有種なのだそうです。
オトコヨウゾメの大きさ
樹高2~3mほどでまとまる低木で、3mにまで大きくなるのはかなり大きめなようです。
成長もゆっくりなので手入れが簡単!ほとんど放任で育てられます。
どうしても枝が混み合っている・・・という時は透かすように剪定を行います。
横幅も広がりにくく、大きくなった時しても直径1mほどでまとまってくれることが多いので、狭い場所でも安心して育てられます。
小さめのお庭ではシンボルツリーとしても使うこともできそうですね!
オトコヨウゾメの花・実

とても小ぶりな白い花をまとめて付けます。ちょっと控えめな感じで清楚ですね。
4~6月頃、新芽が開いてからしばらくした後に咲きます。

8月~9月くらいになると実を付け始めます。
実は5mm程度の小さな赤い球状。鮮やかな緑の中にたくさんの赤がよく映えます。
この実は酸度が強く、食べられるものではありません。
オトコヨウゾメの「オトコ」とは、食べられないことから「役に立たない」という意味で付けられたという説もあるのだそうです。うーん・・・ひどい言いようですね!(笑)
③トキワマンサク

常緑樹で、年中緑が見られます。生垣としてご存じの方も多いかもしれませんね。
白い花を付ける種類と、「ベニバナトキワマンサク」という赤い花を付ける種類があります。
トキワマンサクの大きさ
トキワマンサクは中高木で、3~6mほどまで成長します。
しかし、刈り込みにとても強く、主幹を止めて枝を払うなどして樹高、横幅をコントロールすることも可能なので、あまり問題になることは多くないと思われます。
生垣として使われることが多いのはこの性質のおかげですね。
私の庭では、窓とお隣の窓が向かい合っている、いわゆる「目が合う窓」があるため、その視線の通りを遮るために目隠しとして植えました。
まだ小さいので今のところ役に立ってはいませんが、そのうち大きくなってくれることでしょう。
生垣のように何本も植えなくても、葉が密になるので効果がありそうです。
トキワマンサクの花

3~5月ころ、上の写真のような花をたくさん付けます。
ほとんど木を覆うようにたくさん付いてくれるので、意外と見ごたえがありますよ!

白色だけではく、「紅花」を付ける品種も。
白花トキワマンサクは、葉の色が薄く明るい印象。
紅花トキワマンサクは、葉の色が濃くエレガントな印象。
お庭の雰囲気に合わせて選べるところも魅力ですね。
④月桂樹(ゲッケイジュ)

常緑樹で、一年中緑を楽しむことが出来ます。
料理に使われる「ローリエ」はこの木の葉を乾燥させたもの。
とても良い香りのする葉なので、ハーブの香りなどが好きな方にはとてもおすすめです。
本来日向が好きなのですが、日陰でも充分に生育します。
月桂樹の大きさ
月桂樹は常緑高木で、10mほどにまで成長する大きな樹です。
成長の速度も速いため、定期的な剪定でお家に合った成長をさせていくと良いですね。
月桂樹の花・実

4~5月頃に小さな白い花を付けます。
月桂樹は雌雄異株なのですが、花はどちらでも咲かせることが出来ます。
しかし、実は雌株にしかつきません。
日本で流通している多くの株は「雄株」らしく、なかなか雌株に出会うことがないため、実を付けるところが見たい! という方は少し注意が必要です。
⑤ビルベリー

ブルーベリーの一種と言われているビルベリー。落葉樹です。
北欧の森林に自生している樹木で、とてもコンパクトな種類です。
ビルベリーの大きさ
樹高70cm~90cm。大きくても100㎝ほどにしかならない低木です。
私の庭のビルベリーを計測したところ、ちょうど100㎝ほどでした。いつの間にこんなに成長したのかと驚いてしまいました。
本来、日向を好む性質ということなのですが、このビルベリーを植えたのはなんと午後からしか日の当たらない「西日の半日陰」。意外と問題なく、すくすく育っています。
もしかしたら、実の付きが少し悪いのかもしれませんが・・・毎年収穫はできています!
ビルベリーの実
ブルーベリーは房で実を付けるのですが、ビルベリーはひとつずつ実を付けます。
ブルーベリーよりも少し小さめで色が濃くなり、栄養のひとつである「アントシアニン」がなんと2~5倍と言われています。すごいですね! 目の老化予防に良さそうです。
ビルベリーは生でもおいしく食べられますし、冷凍もOK! 砂糖と一緒に煮詰めてジャムにして食べることもできます。
小さな苗から育てる場合は実が成るまで2年ほどかかることもありますが、気長にゆっくり育てられる樹木は愛着も湧きますね。
日陰でもたくさん植えられる
日陰の庭はちょっと暗くなりがちですが、この樹たち以外にももっともっとたくさん、日陰の庭を彩ってくれる植物はありますよね。
私の庭の大半は半日陰なので、本当に助かっています。
ちょっとこれ、日陰無理かな? と思って植えても意外とうまくいく植物があったり・・・
暗い場所もガーデニング、今後もがんばってみようと思います。
コメント